2010年8月3日火曜日

平均寿命の話。くにまるワイドより。

8月2日文化放送くにまるワイドごぜんさま~より、健康社会学者河合薫さんの話の抜粋です。
今日は先週厚生労働相から日本人の平均寿命がまた更新された。
日本人女性が86.44歳
男性は79.59歳で世界で5位、去年は4位

この数字だけではなくて、確率も出している。


65歳まで生きる確率は女性は93.9%、男性は86.7%
90まで生きる確率は女性は46.4%、男性ががくっと落ちて22.1(22.2?聞き取れず)%

これだけ見ても女性の方がまあ長寿だなというのがわかる。

世界中で男性と女性の平均寿命の差が一番大きい国はロシア
ロシアはOECDの中でも先進国の平均は80歳くらい、男性は低くても74歳くらい
ロシアの女性は74歳、男性は62歳
これは2010年のデータで、一晩問題に成ったのは2006年のデータ、この時の男性のデータは59歳。

平均寿命が低い国というのは貧困層が多かったり、戦争とか紛争地域で無くなる方が多いと低くなるので、普通は先進国では平均寿命は右肩あがりとなる。
実は1980年代後半位は伸びていたが、ところが、がくんと落ちた時期がある。
それは1994年を一番のピークとしておちる。男性は57.6歳、女性は70.1歳に落ちる。
この時期はゴルバチョフがペレストロイカを行った。

寿命というのは国の大きな制度や政治的な要因によって変わる。
90年代河合さんはモスクワへのフライトをしていた客室乗務員だった。
社会主義国なので、ひとつの会社の中でも決められた人数しかフライトできなかった。
その中のロシアのビザを持っていたアテンダントだった。
当時モスクワに行くとペレストロイカの最中だったので、外から見るとヨーロッパの建造物は綺麗で、ステンドグラスとかが施されていて立派な建物だったが、一旦中に入ると壊れそうになっていた。
街の至る所に浮浪者がいて、子供たちも生活できていなかった。ストリートチルドレンみたいな子供たちがいた。
あまりやってはいけないことだとは思ったが、お菓子やジュースをあげてしまった。
子供たちはあまりご飯を食べていなかったのでものすごく喜んだ。
その脇で男の人がウォッカ片手に酔っ払っている人をよくみた。
嘘かホントかはわからないが、あまりにも冬が寒いので鉱物油を飲んでいる人がいると聞いたことがある。
ペレストロイカを境に寿命が下がったのは、こういう事も影響しているのではないかと思う。

それから河合薫さんは日本に絡めて話をすすめたのですが、その中で面白かったのは、「主観的健康」の話です。
「主観的健康」とは「あなたは元気ですか?」と聞いてみて、「はい元気です」と答えるかを調べる、というようなことだそうです。
極論をいうと、不治の病にかかった人でも「元気です」と返事がかえってくる人は主観的に健康ということらしく、これに元気だとこたえる人は長く生きるそうです。
病は気から、ではないですが、生きるのに一番必要なのは「気の張り」なのかな、と思うことが多くなりました。
政治制度が変わると貧困が社会を覆って寿命が下がる、ということなのですが、政治制度が変わらないことで、貧困ではなく無力感が社会を覆うと、寿命が下がる時代が日本に来る可能性があります。
希望は社会や政治が恵んでくれるものではないでしょうが、どこの誰もが努力で拾えるものでもないかと思います。
新しいことに接触する機会を増やして、個人個人が希望を拾いやすいようにしていく他はないのでしょうが、それにしても、ロシアの平均寿命は恐ろしいものです。
男性が62歳って、日本だと年金支給65歳からとなると、乱暴に言えば年金貰う前に死ぬ人が普通だと、まあそういうことなんですかね。若い人の死亡が平均を引き下げているのでしょうが。

河合さんは座っている時間が長い人ほど死亡リスクが高い話もしていました。
一日6時間以上座っている人はかなり死亡リスクが減るとか。
座っている人もちょくちょく足を動かしたりするほうがいいそうです。