この日の佐藤さんの発言は広島の式典はイランやアメリカ等各国が様々な無言のメッセージをおくっている話など色々あったのですが、日韓併合100年に対しての総理談話と、防衛白書公表の先送りについての話題が特に興味深かったので、その点についてのメモを起こしました。
8月6日の読売新聞の記事に、「日韓併合100年首相談話へ」というものがある。
政府は5日、今月で日韓併合で100年になることに合わせ首相の談話を発表する方針を固めた、と
いうもの。総理や弁護士として在日韓国人の権利保護訴訟などを手がけた仙石官房長官を中心に検討してきたもので、15日にも総理の日韓併合100年に対する談話を公表する方向で調整している。
これはどういう内容かということよりも、竹島問題が肝心。
ニュースでも報道されたの覚えているかと思うが、防衛白書が先送りとなった。
本当は7月30日の閣議で発表されるはずだったが延期した。
これは例年通りに書いておくべきだった。
日本政府としては竹島は固有の領土だから立場は変えられない。9月にどんなにいい談話をだしても、政府の立場を買えるわけにはいかないので竹島の領土問題には触れないわけにはいかない。となると、あの談話はなんだったんだ、という反発が予想される。ここで韓国は領土問題を白書に書く事を認めないというふうに暴れるだろう。もし書かないとすると、国民に対する裏切りになると同時にロシアがつけこんでくるだろう。韓国に対してはゆるいですね、と。
ロシアは北方領土問題が存在しているが、それに対して日本と交渉するという立場だが、韓国は竹島問題は存在しないとして、はなから韓国の領土だと言い張っている。防衛白書の問題はそもそも現時点で差し止めをしたこと自体相当問題だと思うのですが、竹島問題に触れれば日韓併合についての談話を盾に韓国につけこまれ、触れなければロシアにつけこまれ、領土問題について触れないようにするとすると国民への裏切りにもなる、というのは流石に元外交官だと思います。日本の韓国への対応をみて、ロシアが北方領土問題で動く可能性がある、というのは鋭い指摘だと思います。この番組で佐藤優さんは沖縄が大問題になると相当早い段階から指摘していましたが、今回のその指摘が当たるかどうか、注目です。
ロシアへの対応と韓国との対応が日本として違うと、ロシア側はそこをダブルスタンダードだとしてせめて来るだろう。韓国に対してはだいぶゆるいですね、と。
実際ロシアは対日戦勝記念日なんていうものをだしてきている。
いくら談話の内容が良くて韓国との関係が良くなっても、その後に出すことになる防衛白書はどういう内容にしても火種となる。談話発表に伴い白書はこれから外交問題に発展する可能性がある。
談話の内容を白書にそのまま載せたらロシアがつけこんでくるか、談話の内容と違うことを載せれば韓国につけこまれる。韓国に対する対応だけを考えていて、ロシアに対する反応が政府にはみえていないのではないか。
これは高くつく。