2010年9月1日水曜日

平賀源内研究所構想の事。荒川強啓デイキャッチ!より。

8月26日の「荒川強啓デイキャッチ!」より、山田五郎さんの話のまとめです。
民主党が「平賀源内研究所」構想を提言したというものですが、この提言、薄っぺらでお笑いです。


民主党の文部科学部会が提言した「平賀源内研究所」。

タイムマシンとか実現不可能とされる研究や常識にとらわれない研究、西洋科学以外の手法や日本独自のテーマを助成しようというもの。

財源は宝くじの時効当選金とあらたに科学宝くじをつくって10億円程度調達して、国内外から鬼才奇人を集める。

鬼才はともかく「奇人をあつめる」、というのはどうなのか。

確かにすぐに成果に結びつかないという研究も大事だし、利益にすぐに結びつかないからこそ国が援助をするのも大事。

しかしながらこの提言、どこから突っ込もうかというくらい(ひどい)。

民主党は今すぐ実現するような予算も削っている。本末転倒も甚だしい。

この一言で終わってしまうのだが、平賀源内研究所という名前もどうなんだ。

マックスプランク研究所に影響を受けたらしいが、マックスプランク〇〇研究所であり、〇〇に当たる部分を研究している。単に平賀源内でいいのか。

また、平賀源内で本当にいいのか。

平賀源内がエレキテルを発明したと発表にあるが、本当は発明していない。

自力で修理をしたのが史実である。

油絵とか、平賀源内の科学的なことというのは西洋の科学の紹介をしたというもので、実現不可能な研究や西洋以外のテーマに取り組んだ人ではない。

土用丑の日を考えたりしたコピーライターみたいなところや、自虐シモネタの元祖で、文科系のサブカル親父で、山師だったといっていい。

放屁論などというのは抜群に面白い。

江戸には両国橋のおならの芸をする人がいて、数珠屁とかはしごっペとか、オナラで祇園囃子を最現したり花火を再現したりした人がいたが、「私もエレキテルをヘレキテルと名前をかえてこの芸人に弟子入りしたい」とか書いている。源内はこれをよっぽど気に入ったらしく後編まで書いてある。

科学としても相応しくないし、研究としてもどうかと思うが、これでいいのか。


「原典にあたる」ということをやる人は意外と少なく、坂本龍馬ファンはほとんど司馬遼太郎ファンだったりします。
これはどうしても避けようがない問題で、原典を当たることを徹底していったら、歴史の教科書などというものは成り立たないわけですが、それにしてもこの「平賀源内研究所」は、山田五郎さんが仰る通り、本当に平賀源内でいいのか、と思います。
仕分けで実現可能な研究の予算を削っているのに、こんなワケの分からない提言を出してくるのが本当に国民の為になると思っているのか、あるいは人気取りになるとでも思っているのか、心底疑問です。
科学宝くじ構想はまあ結構だと思いますが、薄っぺらな人気取りでは薄っぺらい人気しかとれないことも民主党の方には考えて欲しいです。