2010年9月5日日曜日

写真機材の話。PE-36S

写真機材の話です。
9月に完全に”ナショピー”ことパナソニックの外光オートストロボが無くなります。
PE-36Sは公称ガイドナンバー36のクリップオンタイプとしては大型のストロボとなります。
とても使いやすい機種だっただけに、無くなるのは残念です。

外光オートのストロボとしては最も多機能で操作性も良い、使いやすいストロボです。
絞りの設定はISO100の時にF1.4から16までの8段階(!)、スレーブ内蔵、マニュアル発光は1/128まで絞れ、縦位置にカメラを構えてもバウンス使用可能な首振り(上方:90° 下方:7° 左方:180° 右方:90°)、ワイドパネルとキャッチライト用の白板内蔵、(1秒のみなので実用は?ですが)モデリング発光可能、ロータリースイッチ(電子ダイヤルのこと)による分かりやすい操作性、照明付きの液晶パネルで暗いところでも設定可能、と機能は申し分ありません。


公称ガイドナンバー35クラスのストロボの中でもわりとスリムで軽量なのも特徴かと思います。
”幅74×奥行き100×高さ123mm、約303g(電池なし)”というのがメーカー公称なのですが、 これくらいの重さだととても助かります。

外光オートストロボの決定版と言ってもいいでしょう。色々なメーカーのカメラを取っかえ引っかえ使う方はこの機種を持っておけば、クリップオンのストロボで困ることはまずありません。
TTLのストロボはフルオートで使えたり、設定ミスが少ない利点がありますが、この機種の倍近い値段だと思います(現在PE-36Sは新品20000円前後です)。複数メーカーのカメラを使う方はメーカーごとに専用ストロボを買うことになるのでしょうが、ストロボはたまにしか使わないのでしたら、外光オートに慣れてしまう方がコスト的には有利です。スレーブも内蔵しているうえ、どのメーカーのカメラでも繋げてしまえば外部自動調光で光るので、予備としては最適だと思います。

欠点もいくつか。
まずこれは私の使い方の問題ですが、連写しすぎない方がいいかと思います。私は1/8の発光で100発以上焚いていたら、液晶ディスプレイでモードや発光量を切り替えても反応しなくなってしまいました。修理後、同じような使い方をしていたところ、やはり同じ症状が出ました。業務でバンバン焚くにしても、多少休ませないと支障が出ると思います。最も、他のメーカーのストロボも壊したことがあるので、これはPE-36Sの問題というよりは、クリップオンタイプ全般の問題です。ニコンのSB-900は壊れる前に温度上昇警告を上げて止まって破損を防ぎます(ちょっと警告ラインが低すぎて困るのですが。。)。連写前提の方は、いつか確実に壊れることは知っておいたほうがいいと思います。ちなみに、同じ使い方でもサンパックのB3000Sは壊れたことがありません。
電源スイッチは押ボタン式ですのでスライド式スイッチではありません。これが利点か欠点かどうかはユーザーの使い方次第ですが、カバンの中で勝手にスイッチが入らないように工夫をした方がいいと思います。
画角切り替えは「zoom」ボタンを繰り返して押して設定です。押すたびに「24mm→28mm→35mm→50mm→70mm→85mm」と切り替わっていきます。望遠側から広角側に設定するためには一度最望遠85mmにした後、もう一度ボタンを押して24mmまで戻す必要があります。当たり前のことですが、ズーミングに自動連動はしません。望遠側から広角側への設定は面倒です。外光オートストロボ使いの人は殆ど画角は35mmとか28mmに固定して、設定はいちいちしないで使っていると思いますが、使ったことのない人はいちいちズームのたびに切り替えないといけないと誤解している場合があります。画角は広角側固定で、どうしても撮影距離的に届かない場合だけズームで対処しましょう。こまめな切り替えが必要なら、このストロボは使えないと思います。
電池蓋は完全に外れるタイプです。無くさないようにしましょう。
シンクロコードはナショナル専用規格の使用が原則です。生産完了後、手に入りにくくなるかもしれないので、取り敢えずおさえておいたほうがいいかもしれません。ユーエヌなどから出ているX接点側から汎用シンクロコードを伸ばせる製品を使えばなんとかなります。

マニュアル発光で連写をせざるを得ない場合、ストロボはある程度消耗品なので、メーカー専用の高価なものしかなくなってしまうと困るというのが正直なところです。私はB3000Sを5台抑えて対処することにしていますが、このPE-36Sも無くなるのはなんとも残念です。

発売時には既にTTLストロボ全盛の時代だったためか、中古流通在庫はかなり少ないです。
程度がいいとすぐ売れているので、使う人は使っているのでしょうね。