2010年7月21日水曜日

ストレステストの話、くにまるワイドより。

「くにまるワイドごぜんさま」7月20日出演、株式会社双日総合研究所の吉崎達彦さんの発言要旨です。経済ど素人の人間がラジオを聞きながらのメモですので、誤りがあったらゴメンナサイです。
内容に間違いがあった場合はラジオの内容間違いではなく、わたくしの聞き取りミスだろうかと。

以下、内容。


ヨーロッパの銀行のストレステストが行われるということでマーケットの注目を集めている。
ストレステストとはざっくり言って、銀行の健康診断。
今は大丈夫だが、経済成長率がマイナスになっていったとき、どうなるかの判定が今週末にでる。
ここのところヨーロッパ経済は調子が悪い。
スペイン経済は注目されている。ギリシャくらいではヨーロッパは大丈夫だが、スペイン位の大きな経済が同じ状況になると流石にまずい。
ストレステスト対象の91の銀行のうち、スペインとドイツの銀行の状態が注目をされている。

いまギリシャ国債は表面上は利回り10%、ただし実勢取引は75%でおこなわれている。
掛け値が発生していて、今掛け値は実はいくらくらいなのか、という疑心暗鬼を生んでいて金融市場は普通でない状態になっている。
スペインの銀行が持っている不動産価格がどうなっているのかもわからない。
スペインの銀行はかつての日本に良く似た状況になってきている。

アメリカの場合ストレステスト対象の銀行19行中10行が問題なしであり、
残りの銀行もバタバタと資金注入などがあり、予想外に早く解決した。
ヨーロッパ全体は91の銀行のテストが必要。
アメリカは権限が集中しているし、19行しかないから割と早く解決できたが、欧州銀行監督者委員会がストレステストの実施部隊でロンドンにあり、人数は20名程度しかいない。
人員は4倍程度に臨時に増やすという話もあるが、どの程度できるのかは未知数。
これが不安の種であり、テストの実効性・信憑性がどの程度かは疑問がある。

また、テストの結果を正直に発表してもいいのかも問題で、正確な実勢価格の発表は混乱を招く可能性がある。
不合格な銀行が出てくるわけだが、不合格な銀行をどうするかも問題。
ヨーロッパの増資の枠組み(公的資金枠)もあるが、それを使ってもいいのかという問題もある。
そもそも銀行の監督権は各国の政府がなかなか手放さない構造にもなっていて、良好でない銀行はどうするのかという問題がある。
EUに統合はしたものの、各国政府が手放さない権利もあり、問題が発表されても手が出せない可能性も十分ある。ヨーロッパは通貨統合があっても、2重構造なので早期の対応が可能なのかはわからない。

土曜深夜位にニューヨークの市場の反応がでる。

以上が内容です。
この手の内容は新聞報道で簡潔に書かれているのですが、読んでも何のことやらさっぱり、ということがほとんどなのですが、吉崎さんの話を聞くと新聞がある程度「読める」ようになります。
 
以下、ストレステストについてインターネット上でさくっと拾ってきたニュース
 
MPJコラム - ストレステスト
http://mp-j.jp/modules/d3blog/details.php?bid=163

欧州銀行のストレステストを阻む偏見と政治
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3721

ラジオを聞いていた人ならすごく分かりやすく読めるようになったのではないでしょうか。
新聞記事は正確さを重視する必要があるため、知識がないと読んでも読めていないということが多々起こります。ラジオは喋り手の主観が入ってくる「話」である為に、わかりやすく喋られれば知らないことでもわかってしまうことがあります。民法の朝のテレビのニュースがおんなじ内容のことをだらだらながすばっかりになりつつあるようです。私と同じように新聞記事を読んでも読めてない方、テレビのニュースは一回りだけ見て、ラジオを聞くとよいかもしれません。